発電した電気を電力会社に売電する(全量売電)のではなく、発電した電気を事業所で自ら消費する仕組みを「自家消費型太陽光発電」といいます。
為替レートや化石燃料価格の変動に連動する燃料費調整額は、長期的に見ても上下を繰り返していますが、今後は上昇局面を迎えることが想定されています。
また、FIT制度(※)によって売電用再エネ設備が広く普及した事により、一般の電気代に上乗せされている再エネ賦課金は、今以上に負担が増すことが予想されています。
※FIT制度とは再生可能エネルギーの固定価格買取制度(Feed-in Tariff)のことを指します。一般家庭や事業者が再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が買い取ることを国が約束する制度です。
燃料費調整額により、電気料金が変動する可能性も高い
電力会社の「燃料費調整額」の算定元となる燃料の輸入単価は、2016年と比較すると上昇傾向にあり、今後電力料金に対する上昇圧力として動く可能性が高いのです。
再生可能エネルギー発電促進賦課金「再エネ賦課金」とは固定価格買取制度によって電力会社等が買取に要した費用を、電気使用量に応じて電気を使用する国民が負担するものです。
2021年度の再生賦課金は3.36円/kWh
2020年度は2.98円でした
まず挙げられるのは、太陽光発電でつくった電気を施設で消費することによって、光熱費(電気代)を削減できるという点です。削減できる電力量は設置した太陽光発電のシステム容量によって異なりますが、自社工場の屋根などに設置した場合、太陽光発電が発電を行える日中なら、自社工場で使用する電力の全て、あるいは一部を賄うことができます。
自家消費型太陽光発電を設置することで、災害時や停電時でも発電した電気を使用することができます。
但し、日中の晴れている時にしか使えないことも留意しておく必要があります。近年は地震などの災害への備えが叫ばれていますが、自家消費型太陽光発電を設置することで、企業としても災害時の電力確保手段(BCP対策)になります。
太陽光発電は、火力発電と比較してCO2の排出が少ない「クリーンエネルギー」として注目されています。最近では企業に課せられる課題として、CSR(企業の社会責任)や、RE100への参加など、環境保全への取り組みが注目されています。
また、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Govarnance)」の頭文字を取った「ESG」への活動に力を入れる企業へ積極的に投資する「ESG投資」も、世界中で広まりを見せています。
こうした中で、石油や石炭のように枯渇することがない再生可能エネルギーである太陽光発電を設置すれば、会社としての環境対策を内外にアピールするだけでなく、社員の環境や節電に対する意識を向上させるための入り口にもなるでしょう。
系統連系する事で設備稼働のない休日などは発電した電気を固定価格(FIT)で売電できます(2021年度の出力250kW未満の買取価格は11円+税/kW)。但し、電力会社への申請および経済産業省への設備認定手続きが必要です。地域によっては送電線に余裕がなく系統連系ができない場合もあります。
平成29年4月1日から令和7年3月31日まで
注記:本シミュレーションは参考値であり、実際には設備の稼働率、需要率、気候変動等により異なります。減価償却費、設備保険料、メンテナンス費用等は考慮されていません。詳しくはお問合せ下さい。